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三重大学附属図書館 | |||
番号 | 質問 | 回答 | 回答プロセス |
1 | 田淵友彦氏の経歴を知りたい。文学士というだけで、出身大学や生年月日等は不明です。田淵氏の著書『韓国新地理』(博文館、明38)は貴館所蔵ですので、奥付の著者紹介や序文等で確認願いたい。 |
鳥取県出身で明治32年東京帝大文学部史学科の卒業、昭和3年現在、東京の高輪中学校の校長先生。 |
(1)依頼のとおり上掲書を見てみるが、著者紹介等はなく標題紙に肩書きとして文学士とあるだけである。 (2)法政大学編『日本人物文献目録』を始めとする人物文献目録には記載なし。何かの手がかりを、と思って国会図書館の著者名典拠録にもあたるが、これにもなし。 (3)『韓国新地理』にはシリーズ名として帝国百科全書とあったので、東京帝国大学の線から学士会名簿をみることにする。『学士会会員氏名録』を名古屋大学が所蔵しており、田淵氏の記載があるかどうか確認の依頼をする。 (4)FAX回答されてきた昭和3年版のコピーによると、鳥取県出身で明治32年文学部史学科の卒業、東京の高輪中学校の校長先生ということまでわかった。これをもって回答とする。 |
2 | 東大の近辺に、Katherine
Drewbaker の銅像があるらしいが、その場所はどこか。なお、K.Drewbaker
は、1950年頃のイギリスの女性藻類学者で、海苔養殖における功績で銅像がたてられたらしい。 |
熊本県宇土市の住吉神社境内。 |
(1)来日したかどうかは不明だが、銅像ということで、まず『来日西洋人名事典』にあたるが記載なし。東京都の観光案内の類にもなし。続いて、和洋の一般及び科学人名辞典を覗くが、見当たらず。 (2)研究者の線から何かの手がかりをと思い、BAやSCI等を検索するがこれにもひっかからない。依頼者は原綴を示しているので、まさかとは思うが、スペルが正しいかどうか不安になる。『固有名詞英語発音辞典』にも標目がないので余計に心配になり、ドゥルーベーカと読める綴り Derewbakerや Deroughbaker 等を人名事典に戻り試みるが、該当するものはなし。 (3)参考図書をあきらめ、単行図書のうち主題を藻類・海産業に絞り、海苔業界の社史を手始めに片端からあたっていく。 (4)『浅草海苔盛衰記』の p.184 に記述・図版をみつける。熊本県宇土市の住吉神社境内に銅像が建立されている。近くに住吉灯台があり、東大ならぬ灯台の近くであった。 |
3 | WHOから出ている書名をACHIあるいはACHGという、化学物質の人体摂取許容量についてのデータブックを探しているのだが。 |
"Threshold
Limit Values" は当館にはなく、所蔵館を紹介する。 |
(1)NACSIS-CAT
で書名を ACHI、ACHG として検索するが、ヒットせず。発行者WHOでみても、それらしいタイトルはなし。 (2)化学関係の辞・事典にあたるが、不明。 (3)医学の中毒という観点から資料にあたっていく。 (4)『産業中毒便覧』の付録の「許容濃度」に American Conference of Governmental Industrial Hygienists (ACGIH) の "Threshold Limit Values" の書名があり、質問にあるACで始まるのは書名ではなく団体名で、正しくは ACGIH であり、発行もWHOからではないことがわかる。 |