過去の特別展(展示会の記録)

「西洋の発見」―幕末・維新期の遣外使節と留学生達―

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名古屋大学附属図書館・名古屋大学EU資料センター展示会

明治4年の岩倉遣欧使節団が訪問した13か国について『米欧回覧実記』から作成された紹介パネルを軸に,この時期に欧米視察に参加し,あるいは留学した日本人の残した記録や日記類の中から、本学が所蔵するものなどを展示し、約130~150年前の日本人がどのように西欧諸国を見,現在の日本の礎を築いたかを考えます。

はじめに

明治4(1871)年11月12日(旧暦)に横浜港を出航し,米,英,仏,ベルギー,オランダ,ドイツなどの国々を1年半以上にわたって視察した岩倉遣米欧使節団は,産業革命後で近代化真只中の西洋諸国の政治,軍事,産業,文化,生活などあらゆるものを見聞し,情報を収集して持ち帰りました。江戸時代の長い鎖国政策から目覚め,欧米列強の政治的経済的な攻勢から,開国後の日本を独立国家として維持していくために,早急な近代国家への脱皮を迫られていた明治維新政府の,この使節団を送った大いなる意欲と決断力には,現代から見れば驚嘆すべきものがあります。

  また,この明治の使節団派遣に先立つ10数年の間にも,徳川幕府が数次に亘って欧米に使節団や留学生を送り,西洋諸国を知りその先進文化を取り入れようとしてきた実績があり,延べ数百名にも及ぶこれらの渡航者や異国への漂流民,密航者などの持ち帰った情報や収集物が,明治日本の近代化に繋がっていったことも大いに評価されるべきことです。

  今年も,日本とヨーロッパ連合(EU:European Union)との交流事業のひとつとして,各地のEDC(EU資料センター)等で展示会や講演会が開催されていますが,本学もその一環として,日本と西洋諸国が歴史的な出会いをした江戸末期から明治初頭の遣米欧使節団や留学生に関わる史料展示会を開催することにいたしました。展示会では,明治岩倉遣米欧使節団が訪問した13か国について久米邦武編『特命全權大使米歐回覽實記』等から作成された紹介パネルを軸に,この時期に米欧視察に参加し,あるいは留学した日本人の残した記録や日記類の中から、本学が所蔵するものなどを展示し、約130~150年前の日本人がどのように西洋諸国を見,理解して現在の日本の礎を築いたかを考えます。

平成18年11月10日

主催 名古屋大学附属図書館・同研究開発室

共催 名古屋大学大学院法学研究科,同経済学研究科

展示会・講演会日程

展示会

日時:平成18年11月10日(金)~11月24日(金) 9:00~17:00(ただし日曜日は除く)

【延長開催期間】
平成18年11月29日(水)~12月27日(水) 9:00~17:00(ただし土日祝日は除く)

場所:名古屋大学附属図書館 (中央図書館)4階展示室

講演会

日時:平成18年11月16日(木)13:30~14:30

場所:名古屋大学附属図書館 (中央図書館)5階多目的室

講師:神保文夫(法学研究 科教授)

「幕末・明治の遣外使節と西欧近代法知識の移入」

入場料

入場無料  一般の方々のご来館を歓迎します。

車でのご来場はご遠慮下さい

パンフレット

幕末・維新期の対外関係略年表

主な参考文献

遣外使節関係

日米修好通商百年記念行事運営会編 『万延元年遣米使節史料集成』 風間書房, 1960-1961

日本史籍協会編 『遣外使節日記纂輯』 東京大学出版会, 1971

石川榮吉著 『海を渡った侍たち : 万延元年の遣米使節は何を見たか』 読売新聞社, 1997

尾佐竹猛 [著] 『幕末遣外使節物語 : 夷狄の国へ』 講談社, 1989 (講談社学術文庫 ; [907])

芳賀徹著 『大君の使節 : 幕末日本人の西欧体験』 中央公論社, 1968 (中公新書 ; 163)

徳川昭武[著];宮地正人監修 『徳川昭武幕末滞欧日記』 松戸市戸定歴史館, 1997

マサオ・ミヨシ著 ; 飯野正子〔ほか〕訳 『我ら見しままに : 万延元年遣米使節の旅路』 平凡社, 1984

宮永孝著 『万延元年のアメリカ報告』 新潮社, 1990 (新潮選書)

宮永孝[著] 『万延元年の遣米使節団』 講談社, 2005 (講談社学術文庫 ; [1699])

宮永孝[著] 『幕末遣欧使節団』 講談社 2006 (講談社学術文庫)

宮永孝著 『プリンス昭武の欧州紀行: 慶応3年パリ万博使節』 山川出版社, 2000

レイモンド服部著 『77人の侍アメリカへ行く : 万延元年遣米使節の記録』 講談社, 1968

岩倉使節団関係

イアン・ニッシュ編; 麻田貞雄他訳. 『欧米から見た岩倉使節団』 ミネルヴァ書房, 2002 (MINERVA日本史ライブラリー ; 12)

泉三郎著 『写真・絵図で甦る堂々たる日本人 : この国のかたちを創った岩倉使節団「米欧回覧」の旅』 祥伝社, 2001

泉三郎著 『明治四年のアンバッサドル : 岩倉使節団文明開化の旅』 日本経済新聞社, 1984

田中彰著 『岩倉使節団 :明治維新のなかの米欧』 講談社 1977 (講談社現代新書)

田中彰著 『岩倉使節団の歴史的研究』 岩波書店, 2002

田中彰著 『明治維新と西洋文明 : 岩倉使節団は何を見たか』 岩波書店, 2003 (岩波新書 ; 新赤版 862)

芳賀徹編 『岩倉使節団の比較文化史的研究』 思文閣出版, 2003

米欧回覧の会編 『岩倉使節団の再発見』 思文閣出版, 2003

留学生関係

石附実著 『近代日本の海外留学史』 中央公論社, 1992 (中公文庫)

犬塚孝明著 『薩摩藩英国留学生』 中央公論社, 1974 (中公新書 375)

犬塚孝明著 『密航留学生たちの明治維新 : 井上馨と幕末藩士』 日本放送出版協会, 2001 (NHKブックス ; 921)

鹿児島純心女子大学国際文化研究センター編 ; 犬塚孝明 [ほか著] 『新薩摩学 : 薩摩と留学生』 南方新社, 2006 (新薩摩学シリーズ ; 4)

小山騰著 『破天荒「明治留学生」列伝 : 大英帝国に学んだ人々』 講談社, 1999 (講談社選書メチエ ; 168)

内藤遂著 『遣魯傳習生始末』 東洋堂, 1943

内藤遂著 『幕末ロシア留学記』 雄山閣, 1968

林竹二著 『幕末海外留学生の記録』 筑摩書房, 1985 (林竹二著作集 ; 4)

宮永孝著 『幕府オランダ留学生』 東京書籍, 1982 (東書選書 ; 73)

宮永孝著 『幕末オランダ留学生の研究』 日本経済評論社, 1990

宮永孝著 『幕末おろしや留学生』 筑摩書房,1991 (ちくまライブラリー ; 52)

宮永孝著 『慶応二年幕府イギリス留学生』 新人物往来社, 1994

宮地ゆう著 『密航留学生「長州ファイブ」を追って』 萩ものがたり, 2005 (萩ものがたり ; Vol,6)

森川潤著 『明治初年のドイツ留学生』 広島修道大学総合研究所, 1994 (広島修道大学研究叢書 ; 第85号)

渡辺實著 『近代日本海外留学生史』 講談社, 1977-78

その他、全般的な参考資料

岩波書店編集部編 『近代日本総合年表』 第4版. 岩波書店, 2001

手塚晃, 国立教育会館編 『幕末明治海外渡航者総覧』 柏書房, 1992

富田仁編集 『海を越えた日本人名事典』 新訂増補. 日外アソシエーツ ; 紀伊國屋書店(発売), 2005

中田易直編 『近世日本対外関係文献目録』 刀水書房, 1999

日本歴史学会編 『明治維新人名辞典』 吉川弘文館, 1981

対外関係史総合年表編集委員会編 『対外関係史総合年表』 吉川弘文館, 1999