名古屋大学経済学図書室

統計情報の探し方

ここでは、統計情報を探す方法を紹介します。

統計の種類と特徴

作成者による種別

官庁統計 政府や地方自治体が作成する統計です。
  • 統計法を根拠にしており、大規模です。
  • ほとんどがウェブで公開されます。
民間統計 業界団体や民間の研究所、調査会社が作成する統計です。
  • 官庁統計にない概念、自由な発想が特徴です。
  • 規模が小さく、入手しにくい場合があります。

作成方法による種別

調査統計 統計を得ることを直接の目的として統計調査を実施し、その結果から作成される統計です。
  • 例:国勢調査、労働力調査など
  • 法令根拠による区分:基幹統計/一般統計/地方公共団体等が行う統計
  • 調査対象による区分:全数調査(センサス。調査周期が長い)/標本調査(抽出。調査周期が短い)
業務統計 種々の行政上の記録や報告などから作成される統計です。
直接に統計調査を実施してつくられるものではありませんが、社会や経済に関する重要な統計が多く、統計体系のなかでも重要な位置を占めています。
  • 例:貿易統計(通関手続きの行政上の記録から)、人口動態統計(市役所等への出生、死亡等の届け出から)など
二次統計
(加工統計)
すでに作成された基礎統計をもとに加工してつくられる統計です。
  • 例:GDP統計、景気動向指数、消費者物価指数、国民経済計算(SNA統計)、産業連関表など

内容による種別

一次統計資料 特定の目的で行われた調査に基づく統計がそのまままとめられた資料です。
  • 総合統計書や統計要約書では得られない詳細なデータを求める場合に利用します。
  • 調査の目的や定義を確認しないと数字の意味を取り違える可能性があること、目次、凡例を参照してからデータを探す構成になっていることから、検索や読解に手間がかかるので注意が必要です。
二次統計資料
(総合統計書)
さまざまな分野の一次統計が1冊にまとめられた資料です。
  • 全体的・基礎的なデータを調べたい場合に利用します。
  • 国内の全体的な情報を収めたもの、地域情報に特化したもの、長期的な変遷を追うものなど、広範囲におよぶ統計を一冊にまとめているため、一次統計を網羅的に調査するよりも簡便に統計数値を入手できます。
  • 例:『日本統計年鑑』など
二次統計資料
(統計要約書)
特定の分野の一次統計が1冊にまとめられた資料です。
  • 調べたい分野が限定されている場合や、一つの分野について多くの情報を得たい場合に利用します。
  • 総合統計書より各分野の詳細な情報が掲載されています。
  • 総合統計書と同様に、一次統計を網羅的に調査するよりも簡便に統計数値を入手できます。
  • 例:『労働統計要覧』、『建設統計要覧』など

統計の探し方

どんなデータを探したらよいかわからない場合

統計データを探す前に、まずどういったデータがあれば自分の主張を裏付けられるのかを明確にしておく必要があります。そのためには、分析対象分野に関する基礎的な知識が必要です。

その分野の基本的な統計や統計を用いた分析の手法などを、白書や報告書の解説、図書・論文等で下調べすることから始めましょう。→[文献情報の探し方]

どの統計(資料)に掲載されているかわからない場合

二次統計資料や統計を探すための資料を使って探しましょう。→[資料リスト:統計情報の探し方]

統計名または統計資料名がわかっている場合

e-Stat政府統計の総合窓口では、各省庁が出している統計を検索し、見ることができます。キーワード欄に統計名を入力して検索しましょう。正確な統計名でないとヒットしないことがあります。

統計資料名がわかっている場合は、OPACで検索してみましょう。冊子を所蔵していることがあります。

欲しいデータがない場合

操作化を検討しましょう。

  • 見方をかえる→消費⇔生産、東大学生調査を一般的な分布と比較
  • 分析したい結果に関する集計がされていない→オーダーメイド集計
  • 統計を利用する際の注意

    目的にあった統計を利用する

    同じ文言で表現されるデータであっても、調査機関、調査目的、調査方法、調査票の質問内容などによって全く異なる数字になる場合があるため、統計作成までの流れを十分に理解し、目的に合った統計を選択する必要があります。調査の概要をよく読み、次のような点を確認し、目的にあった統計であるか検討しましょう。

    統計そのものの信頼性に注意する

    複数の統計で多面的に分析することを心がけましょう。

    数値の解釈に注意する

    数値は正しく示す

    グラフや図表は公正に表示しましょう。ある部分が有利に見えるように加工されていることもあるため、元の数値を確認し、自分でグラフを作ってみるとよいでしょう。

    出典を記載する

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